『食事』
食事動作は、咀嚼・嚥下・味覚探索が主体であり、自律的かつ文化的な活動です。
しかし、片麻痺者にとっては、食事中に麻痺上肢が果たす役割も重要であり、麻痺側の活用が食事全体の質に大きく影響します。例えば、麻痺側の手を食器に添えるだけでも動作が容易になることが実感できます。
重度の麻痺でも、麻痺上肢をテーブル上に安定させることが最低限の条件となります。しかし、食事場面ではその機能が発揮されにくく、努力的な動作が咀嚼や嚥下の自律的な反応を妨げます。さらに、体幹の緊張や非対称な姿勢が食事動作を難しくし、視覚的認知の低下も招きます。
両側活動の困難さも顕著で、特に外食や家族との食事では心理的負担が増します。これらの課題に対して、個々の問題を分析し支援方法を模索することが重要になります。