『洗体」
洗体は皮膚の感覚受容器や固有感覚系と自律的な身体反応が密接に協調する活動です。手洗いでは、左右の手が互いに密着し拭い合うことで、能動的かつ受動的な知覚探索が同時に行われます。
特に片麻痺者では、身体部位の接触感覚による探索反応が欠落しやすく、タオルやスポンジを介した刺激が重要になります。このような協応の欠如は、日常生活における洗体動作に問題を引き起こします。
『更衣』
更衣は全身の協調運動を必要とし、特にバランスや可動域が重要です。片麻痺者では、体性感覚の異常や自律的な身体反応の欠如により、衣服のずれや捻れに気づきにくくなります。
健常者が無意識に行う身だしなみの調整も、彼らにとっては意識的な努力が必要です。その結果、動作がぎこちなくなり、全体的に遅くなります。支援では、操作動作の改善よりも体幹や顔面の自律的反応を促進することが重要です。